全幅:1,590mm、全長:900mm 主翼面積:29du、全備重量:932g(6セル1700バッテリー込み) 主翼翼型:11%厚フラットボトム+固定フラップ→フラップ幅10mmにした。 RC装置:3ch、ラダー、エレベータ、スピコン 翼構造:バルサリブ組み、胴体材料:バルサ モーター:ムサシノ特製540 ダイレクトドライブ方式 プロペラ:APC 8×4EまたはCAM 8×4.5インチ折りペラ バッテリー:6セル1400〜2000または7セル500ARバッテリー受信器(JR NER-844X)34g⇒ケース無し23g ⇒Futaba R116HP(PCM)32g⇒JR NER-844X サーボ:ミニサーボ24g(JR NES-321)2個 スピコン:コントロニク・ロンド400 ⇒ MA-10 重量内訳 主翼生地完116g⇒完成重量156g 胴体生地完98g⇒メカ含み完成重量444g 6セル1700SCR:重量332g 全備重量:932g(目標950g〜1000g)
ムサシノ模型飛行機研究所から 電動機の第1弾「パストラル」が発表されました。 サイレントフライトを提唱するムサシノから 現在のトレンドである電動機の登場を 待ちかねていたのでとてもうれしいです。 この度、ムサシノ模型研究所から依頼があり「パストラル試作機」を 製作しました。 自分が皆様のお役にたてるとしたら何ができるのだろうかと考えました。 幸い、似て非なる機体としてモスキートモス号を2機とEPスカイコアラを3機製作した 経験を活かして、これと比較評価することや、これから製作される初心者の方の 視点にたったアドバイスなり、製作のポイントについてできるだけ画像を入れて 説明したいと思いました。これなら自分にもできそうです。 パストラルを製作しようとする方には幾通りかのパターンがあると思います。 @全くはじめてラジコン機をはじめる場合 A昔、ラジコン機をやっていて中断した方が再開する場合 Bエンジン機をやっているが、これを機に電動機を始める場合 C400クラス電動機を手がけている方がパストラルで540クラスを始める場合です。 @Aはラジコン機材がないのでこれから投資しても無駄になるものがありません。 Bの場合ですが電動機をはじめるには初期投資としてお金がかかります。 エンジン機と電動機の両方を楽しもうとしても機材の準備、運搬を考えると 電動機のほうが楽で汚れないので、どうしても電動機の比重が高くなります。 電動機への移行が前提となるでしょう。 Cは新たに540クラスの機材を買い足すことになり 投資に見合うだけのメリットが見出せるかということがポイントとなります。 今回、発表された「パストラル」はこうしたユーザーの背景を考慮したもので 電動機への初期投資&ランニングコストの低減を図ったものと思われます。 これにより、より多くの方が電動機に参加されることを期待したいと思います。 行きつけの模型屋さんも最初は540ダイレクト機というので 乗り気ではなかったのですが7セル500ARバッテリーを使えること。 5分〜10分も飛ばすことができることを話したら驚いていました。(@_@) 自分のような素人では解らないのですが、 このモーターには興味をもたれたようです。 現在の主流である400クラスのバッテリーやアンプ等が そのまま使えるというので「これならイケるぞ」との感触を得たようです。 400クラスの多くのユーザーが機材を流用することで気軽にパストラルを楽しめ 相互乗り入れできることで540ダイレクト機という特殊な世界ではなくなったのです。 今度、デモフライトをすることになりました。 プロの厳しい目で判定してもらい、どんどん薦めて欲しいと思いました。 ここでは製作についてのアドバイス、自分好みで改造した ポイントについて説明します。 少しでもこれから製作される方の参考になれば幸いです。
このキットはミシン鋸を使い職人技を駆使した高精度なカット部材です。 これは今までのムサシノキットとは一線を画すものでQRP並みの高精度です。 はめ込み方式ではないために改造の自由度が高く、製作プロセスを楽しめる 機体キットだと自分は思います。 適材適所という言葉がぴったりするほど材質が厳選されています。 ラダー支柱には緻密なハードバルサが使われてます。(^-^) ここはダメージを受けると根元から10数mmのところがストレスを受けて 折れやすい個所です。 主翼プランク材は1mmですが、プランクしたときの剛性感には驚きました。 スクラッチ製作が得意な自分でもこのキットに関しては、 とてもここまで手をかけられません。 何でもかんでも軽量なバルサを主体とする従来の400クラス以下の 電動機とは全く違う540クラスならではの棲み分けがされたキットといえます。 どのくらいカット精度が良いかという事例として 主翼の桁間補強材を例にして説明します。 驚いたことにこのような補助的部材でも各部位ごとに 正確にカットされているのです。 主翼のリブ間隔は従来はサランラップを敷いた定板の上で図面に合わせて 線を引いて配置し、接着してから桁間補強材を入れて接着します。 今までは隙間があいていたら強度が落ちるので隙間にバルサ片を詰めていました。 しかし今回はこの桁間補強材を治具代わりとしてそのままリブにあてがい、 仮組みした状態にして、まち針で固定して瞬間接着剤を垂らすと 非常に正確なDボックス構造の主翼が出来るのです。 自分は従来通りの手順で加工し終えてから、このことに気がついたので 残念ですが、次回製作時に試してみます。 カット精度が良い部材で製作すると正確な組立て加工が 短時間でできるのはうれしいです。 また、バルサを切削することが少ないのでバルサ屑が極めて少なく 室内作業が多い機体製作作業では助かります。 また細かいことですが主翼のゴムかけ棒が従来のムサシノ機は短めだったので、 自分はゴムが外れるのを嫌って長めのアルミ材にかえていましたが、 今回はピッタリサイズです。 細部にわたって検討されていることが感じられる1例です。 最初のうちは軽量化してEPスカイコアラ並みの高性能機にしようかと 思ってましたが、パストラルの仕様やコンセプトを理解していくうちに 何だか穏やかなゆったりした気分になり、あり合わせのメカ機材を使った本機が どの程度のパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみになってきました。
モーターの進角を3度に設定して アマチュア無線用定電圧電源(MAX 3.5A)を 使用し、下記条件で馴らしを実施しました。 (6セル1700バッテリーの事例) 3V−60分間−1.0A(30分後に回転が滑らかになった) 6V−10分間−1.0A(ファン冷却) 7.2V−5分間−1.0A(ファン冷却)
@キャビン周りをR加工して丸みをもたせました。 A主翼の補強としてカーボンロービングを1本、主翼裏側リブ桁上に瞬間接着剤で 貼り付けました。 B冷却穴を上部に設定し、バルサブロックを削り出して作った インチョークカバーを装着しました。 Cバッテリーが露出しないように2mmバルサで下面密閉カバーを付けました。 前後方向をテープで軽くとめています。 (6セル2000バッテリー使用時は不可) D排気穴を設定しました。ししゃも腹の部分です。 この部分を有効利用できデザイン的にも良いのではないかと思っています。 E主翼固定フラップの幅変更 試作機のフラップの最大幅は30mmもありました。 後日入手した設計図では18mmでした。 巨大なモスキートモス号でさえ25mmなのです。(^_^; T氏からフラップ無しで好結果だった情報を得て急遽10mmにしました。 接着していたので少し残したのです。 下記の画像で片翼のみカットした状態がそうです。(参考画像)
8セル500ARの画像で紹介します。 バッテリー単体の下面にベルクロテープ(メス)黒を貼り付けます(左の画像) 上面には、すき間テープを貼り付けます(右の画像)
機体のバッテリー受け側に1mmベニヤ板を エポキシ接着剤で接着します。 その上にベルクロテープ(オス)黒を貼ります。 この上にバッテリーを置いて仮固定してから ベルクロテープ(オス+メス)白でバッテリーを巻いて固定します。 飛行中にバッテリーがずれると重心が変わり、 危険ですので固定してください。
■メカ搭載
受信機&サーボはモスキートモス号から移植しました。 従来の電動機にはとても使えない大きくて重いものです。 この機材が再利用できることは最新最軽量機材を常に買ってきた 金欠病の自分にとっては、とってもうれしかったのです。 中央はケースをとりシュリンクチューブでカバーした受信機です。 右はミニサーボです。丈夫なサーボとして定評がありますが 電動機には大きくて重いので使えず放置していたサーボです。 もっと大きくて重いRC機材を使ってもパストラルなら さほど影響しないでしょう。 手持ちの機材を使えるということは素晴らしいことです。
■傾向と対策
テールヘビーになっちゃいました。(^_^;
当初、モーターグライダー専用機として製作する予定でしたが、 重心位置を調整する段階まですすんだら、何とテールヘビーで受信機やサーボの 位置移動では調整しきれませんでした。 他機では問題なかったそうです。 いつまでたっても初心者です。実に情けないです。 対策:脚やタイヤをつけたら重心が合ったので、とりあえず標準仕様としました。 そのうちに以下の改造をしたいと思います。 脚取付けベニヤ部分を切除しバッテリーが前に移動できるようにする。
■フライト・インプレッション
6セル2000バッテリーで確認した結果です。 離陸および上空での挙動は非常に安定しています。 8セル500ARバッテリーの場合のフライト時間は意図的にサーマルを外して 平均5分、サーマルに乗ると15分も飛びました。 6セル2000バッテリー等を搭載して飛ばした場合は平均20分でした。 サーマルに乗せれば倍以上のフライトが楽しめそうです。 着陸も沈下するのでし易かったです。 この機体には6セルバッテリーが最適のようです。
■プロポを入れ替えました
変更した理由 @送信機は2台もっていますがJRのプロポはもう販売されていない旧製品です。 その後に買ったFutaba FF8A1台に統合したかったのです。 (管理が楽だからという実に安直な理由です) 2001年6月、機材が不足したので、また、元(JR復活)に戻しました。(^^;;; A飛ばしているフライトエリアはノイジーなポイントがあり いつかは耐ノイズ性に強いPCM受信機にしたかったのです。 今まで使っていたJRのプロポは最廉価機でしたが、 定期的にオーバーホールに出していたので調子が良かった。 ちなみにJRは無料です。 定期的にオーバーホールに出しましょう。 Futaba R116HP(PCM)は小型軽量受信機として外来ノイズに強いと 定評があるそうです。 ケースを外すと24gとなりませが、パストラルはケース付き(32g)でも重量的に 問題ないので安全のためこのまま搭載しました。 1mmベニア板を機体に接着して受信機をベルクロテープ止めして、 更に別のベルクロテープで包んで固定します。 上記のバッテリー固定方法と同じです。 画像は受信機を置いただけの状態です。 サーボが鳴く (不具合ではないことがわかりましたので参考情報です) 送信機ONして受信機ONしたときにサーボが2個とも鳴くのです。 この時ホーンは全く動いていません。 ラダー、エレベータのスティックを少し操作すると音は消えます。 そのままでもしばらく放置すると音は消えます。 電源ON の初期の時だけ発生するのです。 送信機の設定をいろいろ変えて見たのですが改善しませんでした。 いつもの行きつけの模型屋さんに電話して対策について相談をしました。 結果としてPCM方式によるものであり新たな信号が入るまでは 前回記憶していた状態の信号を送るためなので、一度、ステックを動かしたり等、 新たな信号を送れば鳴きはとまるのです。 最近のデジタルサーボでは特に鳴きやすいそうです。 受信機の調整や組み合わせる機器との相性もあるので 必ずしも鳴るわけではないとのことでした。
■機体発見ブザー(FAC pipi)搭載
★パストラルに搭載しました。
K田さんがマイコンを使った 機体発見ブザー(製品名:FAC pipi)を設計してくれました。 重量6g、これなら重量を気にせず使えますね。 全体の画像はここをクリックしてください。 裏側の画像はここをクリックしてください。 表側の画像はここをクリックしてください。 空中配線部分はマイクロバルーンを混入した5分エポキシ接着剤を使って固めました。 4kHzの甲高い音でモールス信号「SOS」を発信します。(^-^) 使っていて気づいたのですが、外来ノイズを受けると 「ピーピー」と鳴るのでノイズセンサー機能もあるのです。
■モスキートモス号の主翼との組み合わせ
パストラルの主翼を印旛沼でロストしてしまった自分は、 前から試してみたかったのです。 オリジナル翼は切れ味がよく、スポーティな飛び味が身上ですが、 自分はエンジン機のモスキートモス号が壁の飾りになっているのを もったいないなぁと思っていたのです。 そこでモスキートモス号の主翼をパストラルに合うように加工して 取り付けて見ました。 1回目のフライトではあまりにも大きな主翼なのでミスマッチかなと 思われたのですが、フラップを削除した2回目のフライトは フレアーもよくかかり、ふわりとピンポイント着陸も可能な 低速フライトが可能になりました。 しばらく、この主翼で楽しんで見たいと思います。 後日談:飛びの切れがないのでオリジナル翼が良いです。