Smile-400
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■諸元
全幅:1,030mm、全長:690mm(スピンナー込み)
主翼面積:17.4du、全備重量:540g(7セルバッテリー込み)
主翼翼型:13%厚オリジナル準対称
RC装置:4ch、エルロン、エレベータ、ラダー、アンプ
ギヤユニット:400BBギヤダウン・ユニット、標準ギヤ比:2:1
モーター:HYPER 400/35T-RV
折りペラ:CAM 9×5インチ折りペラ
バッテリー:7セル500ARおよび8セル500AR
スピコン:シュルツェSlim 18be
受信器:Piko2000
サーボ:マイクロサーボ9.5g(Futaba S3103)3個
■はじめに
ムサシノ機や自作機専門だったのですがQRP機を今回初めて製作しました。
部材のカット精度&製作マニュアル内容の確認もしたいと思ったのです。
ここでは製作内容については完璧な記載があるQRPの製作マニュアルを見て
いただくことにして製作についてのアドバイス、改良を要すると思われる点、
自分好みで改造したポイントについて説明いたします。
これから製作される方の参考になれば幸甚です。m(_ _)m
(注)この製作記事を見て「推薦されているのですね」というメールを
いただいたのですが特に推薦しているわけではありません。
■QRP Smile-400の製作についてアドバイス
QRPの機体キットは精巧なカット部材なのでプラモデルのように
簡単に誰でも正確に組み立てられると思っていました。
この思い込みが思わぬトラブルとなったのです。(T_T)ノ
製作マニュアル(主翼)の冒頭の記載の抜粋ですが
「2.この時点では部材の少々の反りや曲がりは気にする必要はありません」
これを真に受けて定板に固定せずにザックリ作り始めたのが大失敗でして
途中から定板に固定して無理矢理クセ取りしたので
ねじれストレスが残ったままの主翼が出来ました。
精巧なカット部材だけに最初の1歩から定板に固定して
慎重に製作しないと後々まで影響しますのでご注意ください。
アドバイスとしては上記の点と製作マニュアルを熟読して理解してから
製作を進めてくださいという基本的な2点です。
■QRPオリジナル機との相違点
@胴体上面部分に三角材を入れ、削り代をつけて上面を丸胴にしました。
A主翼中央部の補強としてQRPマイクロ・グラステープを張りました。
B折りペラ(CAM 9×8インチ折りペラ)を装着しました。
Cキャノピーを横長方向に取り付けました。
D8セルバッテリーを搭載可能にしました。
7セルでも充分なのですが、手持ちのバッテリーが全て8セルだったので
管理上、8セルにしたかったのです。
・部材F11を後ろへ下げた。
・部材F8をバッテリーが通るようにクラフトナイフでカットした。
・機体のベルクロテープ(赤)内側にバッテリーズレ止めとして
別のベルクロテープ(黄)を追加してビス止めしました。
ベルクロテープ(黄)とバッテリーのベルクロで固定して、
ベルクロテープ(赤)でバッテリーを巻いて固定します。
バッテリー単体の下面はベルクロテープ(左)
上面はズレ止めのために、すき間テープ(右)を貼り付けています。
なお、主翼上半角については5度ではロールするとバレルロール(樽型)
になるのが予測できたので3度に変更しようか迷いましたが、
設計者の意図を確認するためにも5度のままとしました。
その結果、バレルロールにはなるのですが、
裏返した瞬間にエレベータをダウンする技術をマスターすれば
軸の通ったロールが可能ですので
変更しないで正解だったと思っております。
その後、QRPで上半角を少なくした設計に変更したのです。
■メカ搭載状態
メカ搭載状況です。
受信機の位置で重心設定できるようにベルクロテープを長めに張りました。
画像では見づらいですがFAC仲間のK田さん設計の5g PIC機体発見ブザー(FAC pipi)
が中央下、ブザーが右下に見えます。
■初飛行成功しました
新作機 Smile-400 背面手投げしました。(^_^;
■問題点(傾向と対策)について
@オプションのスパッツは荒い着陸時には主翼穴あけポンチと化します。
対策:スパッツを外しました。(^^;;;
Aギヤダウンユニットを取り付けている2.6mmナット4個のうちの1個が外れた。
対策:M2.6mmナイロンナット(京商)に交換した。
Bテールが軽かったのでウェイトを取り付けてバランスをとる必要があった。
対策:暫定処置として板鉛を両面テープで貼り付けた。
Cグランドループに入り易い。
対策:離陸時にラダーで当て舵を打った。
Dタキシングが全くできない。
対策:上記BCの対策をも兼ねて、ラダー連動尾輪に改造した。
尾輪タイヤは20mmが適当です。小さいと砂利に食い込んでしまいます。
ラダー連動尾輪の加工方法
ラダーの下側に1.2mmピアノ線をはわせてL字に曲げ
軸受けにしたアルミパイプに通します。
抜け止めにタイヤストッパーで固定し、その下に尾輪タイヤを取り付けます。
ラダーの下側にはわせた1.2mmピアノ線はガラステープで巻いて
エポキシ接着剤で固定します。(水平尾翼の上側の画像参照ください)
軸受けアルミパイプもガラステープで巻いてエポキシ接着剤で固定します。
(水平尾翼の下側の画像参照ください)
ちなみに、この1.2mmピアノ線は1本のままで曲げて使います。
これでラダーを動かすと尾輪も連動して動きます。
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メインタイヤも直進性改善のために
オリジナルの35mmを40mmに大きくした。
E水平飛行中、しばしば横方向の不安定な揺れ(ヨー方向揺れ)が発生する。
固有の問題ではなく、仲間のSmile-400も含め3機が全く同じ挙動でした。
対策:垂直尾翼面積が少ないのではないかと思い、
三角フィン=ドーサルフィンを取りつけました。
ヨー方向の揺れは多少改善されたように思います。(^-^)
上記の現象が発生する原因として垂直尾翼の剛性不足の可能性もあり、
垂直尾翼が飛行中に左右にぶれるために発生するとしたら、
ドーサルフィン追加は剛性向上に寄与したのかも知れません。
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ドーサルフィンの目的は垂直尾翼の前後方向をのばして
水平尾翼よりも前部分にのばすのが目的です。
そうすると、大迎角時のラダー操舵が確保されるので
キリモミ離脱が改善されるのです。
やたらに前後に長かったり、立った形だと有害抵抗になるので
控えめに付いているのが普通です。
つねたんのは合格!多少の剛性アップ効果もあると思います。
(2000.02.10)Aさんのコメント追記
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F着陸時は滑空性が良すぎるためにグライドするので距離が伸びてしまう。
対策:フラップを装着したいが、取り敢えずプロペラブレーキ効果で
フレアーを かける練習を開始しました。
いつかは思うところにふわりと降ろせるようになりたいです。
■実験1:メインギヤを取り外したが再度付けました
当初から折りペラを使用、スピコンもブレーキ付きモード設定だし、
飛ばし方もSmile-400の滑空性の良さを最大限に活かして、まるでグライダーのように
モーターカット状態でループやロールを楽しんでいます。
実機パイロン機「リノ・エアレース」ビデオの中でフツーの双発機のプロペラを
カットしてスローロールを決めちゃうシーンがあります。
そのパイロットのボブ・フーパー氏に憧れて真似しているんです。σ(^_^;)
これならメインギヤは不要と思い、思い切って外しちゃいました。
ビス4本で簡単に脱着できるのも良いですね。
胴体下部にネオプレンゴムシートを貼り、衝撃緩和処置としました。
また、土手斜面へ胴体着陸する時に草や土が入り込む対策として、
機首下面の冷却空気取り入れ口はオラライトで塞ぎ、
更に荷造りクリアーテープを重ねて張って強度をもたせました。
その代わりに機首上面に大きな穴を開け、バルサブロックをくり抜いた
インチョークカバーを取り付けました。
個性的なMy Smile-400の誕生です。(^-^)
軽量化の効果は抜群でした。
素晴らしくシャープな切れのあるフライトに変身しました。
まるでパイロン機です。(^-^)
しかし、胴体着陸するのでソフトバルサ主体の主翼裏側がボロボロになりました。
仕方がないのでメインギヤを再び取り付けました。
機首下面の冷却空気取り入れ口は元の通り開けました。
上下の空気口で冷却効果抜群です。
現在の全備重量は580g(8セルバッテリー込み)です。
(注)画像はメインギヤを取り付けた現状のものです。
■フライト・インプレッション
着陸体勢に入ってからの滑空性が良すぎて距離が延びることが
気になりました。
一時は5〜6機も土手フライト仲間で流行ったのですが誰も飛ばさなくなりました。
原因は飛ばして面白くない飛行機だからということのようです。(T_T)ノ
上半角が大きすぎることが災いしているのではないでしょうか?
友人はEP-CUBの主翼と交換した結果、素晴らしい飛びに変身していました。
自分もいつか試してみたいと思います。