熱海花火大会顛末記
夏休みに妻と「遊覧船で見る熱海花火大会、豪華舟盛り料理ツアー」に行ってきました。
料金は1人2万円もしたので日帰りツアーとしては高いです。
料金が高いというのは料理、船ともさぞや豪華なのではと期待しますよね。
ところが、結果は惨澹たるものでした。
1998年8月8日(土)午後1時 横浜駅前に集合、バス2台で満員です。
狭くて膝が前の席にぶつかる、ちょっと狭いシートです。
幸い、前席の年配の男の人は席を倒さず姿勢を正した紳士です。
自分は長くもない脚を折り曲げて押し込んでいましたが、
その紳士が前触れもなく、いきなり座席を思い切り倒したのです。
「ぎょえ〜」危うく骨折するところでした。(;_;)
流石に少し倒しすぎたのに気づいたようで少し戻しました。
別に紳士という訳ではなかったのです。(^_^;
ギャーギャーと、うるさい子供を連れた家族連れの団体が乗り込んできました。
幸い通り過ぎて最後尾に陣取りました。やれやれです。(^_^;
ところが、発車時間を過ぎて慌てて乗り込んできたオバタリアン集団が
後ろと横の席に座りました。
「トイレに行ってたので遅れた」と恥ずかしげもなく大声で騒いでいます。
子供連れ集団より始末が悪いです。
これが今思えば悪夢の始まりでした。
ようやく出発したものの道路は大渋滞で東名高速道路「横浜町田インター」まで
何と!2時間もかかりました。
その間、おばさん達はギャーギャーはしょぎまくり「これは遠足だね」とか
「反対車線が空いているので1車線こちらにもらいたいよ」等と、たわいもない
同じ話しを繰り返しています。
そのうちに1人が「渋滞しているので花火見物するために、しばらく眠っていこうよ」
と言い出したので、しめたと思ったのですが、このおばさん、言い出していながら
熱海につくまで、しゃべりまくっているのでした。何なんだ。(;_;)
渋滞で遅延した結果、お土産を買うための唯一の休憩場所をパスすることになりました。
豪華舟盛り料理も危なかったのですが「急いで食べてください」との注文つきで、
どうやら食べられることになりました。
真鶴半島の料理屋に着きましたが、どこに座れば良いのかわかりません。
年増の女性添乗員に聞いても要領を得ません。
仕方がないので妻と4人席に座りました。
後から人の良さそうな中年女性の2人連れが同席しました。
舟盛り料理は4人分なので伊勢エビに手を出すには遠慮しながらなので窮屈でした。
食事が終わってから、まわりを見回したら柱に席割りのメモが貼ってあり
2人席は別にあったのです。今更、知っても後の祭りです。全くもう〜(;_;)
熱海に着く頃に午前中の天気予報によれば降る筈のない雨が降り始めました。(;_;)
みんなの願いも空しく、だんだん本降りになってきました。
バスは渋滞の中、なんとか熱海港に着きました。
添乗員が「800人乗りの船を押さえて400人に限定したので、ゆったりで〜す」
とアナウンスしました。
丁度、豪華客船が明かりを点けて入港してくるところにバスは着きました。
「あ〜この船がそうなんだ」と誰もが思い、口に出して喜んでいました。
ひとつぐらいは良いことがあるものだと、その時は単純に思いました。
埠頭は人で大混雑しています。不安がよぎります。
豪華客船に先に降りた自分達のバスの乗客が移動します。
すると、添乗員が「こっちの船ですよ〜」と叫んで、豪華客船に向かった乗客を
連れ戻しに行きました。こっちの船とは、ただの遊覧船で、
いましも避難民のように次々に乗り込んでいる船のことです。(@_@)
既に船上のデッキには先客が陣取っています。
みんなは「え〜そんなバカな」とがっかりしました。自分もたまげました。
1人の奥さんが「この船は先日、1,000円で乗った遊覧船ですよ」と
食ってかかっていましたが、添乗員は「花火見物のチャーター船ですから」と
訳の判らない事を言って気色ばんでいます。(;_;)
やっと、乗り込むことになったら船室内指定だそうで、これでは花火は見られない!
ここまで来て小さく丸い船窓から覗くという最悪の花火見物となりました。(;_;)
しかも、停船しての花火見物ではないんです。(;_;)
この船は遊覧船として許可されているので、熱海港を遠く出外れた所を
荒波をおして往復航行するのだそうです。
豪雨をおして中止されることのない花火は港内で打ち上げられるのです。
つまり片側からしか花火は見られないということです。
ここまで来て、なんてこった。(;´Д`)ウウッ…
雨で滲んだ見にくい船窓から片側のみ、港内で打ち上げられる小さく見える
花火を見物するという趣向です。恐れ入りました。駄目ポ...._| ̄|○
涙で滲んだ船窓から見ていましたがハッキリ言って疲れました。(;_;)
最上階のデッキの乗客も大雨で濡れそぼり、決して快適ではなかったようで
船室にズブ濡れになって逃げ込んできました
。
かわいそうに、この人達も自分達と同じような仲間なのです。
とどめのキツ〜イ一発が待ち構えていました。(T_T)ノ
この船は遊覧船なので出港地の熱海ではなく、その先の伊東に着くというのです。
乗ってきたバスは伊東港に回されているそうです。
この船はその後、熱海港に戻るということです。[聞いてないよ〜]
自分たちは少々のことでは驚かなくなりました。
その時、大揺れの船で酔ってしまった蒼い顔の添乗員から提案がありました。
「毎年、熱海周辺は交通大渋滞で熱海を出るまでに3時間もかかったことがあります。
何時に横浜駅に帰り着くかは保証できません。午前2時以降となったこともあります。
(パンフレットには午後11時帰着と書いてあったのに〜)
終電車に間に合わないのでタクシーで帰宅することになってしまいますが、
それなら伊東から電車を乗り継いで帰った方が確実に1時間半くらいで
横浜に帰れます」と言うのです。
「個人負担ですが電車で帰られる人は手を上げてください」
自分を含め多くの乗客が迷わず手を上げました。
そして思ったよりも空いている電車で快適に帰宅しました。
添乗員が「来年もこの企画で来ますか?私なら来ません」と言っていた言葉が
耳に残った、とんでもない企画ツアーでした。
皆さんは絶対 [行かないようにっちゅーの]
《追記》
近くの宿に泊って、歩いて花火を見に行くのがベストだそうです。